化学反応にはエンタルピー変化が正か負かによって吸熱反応と発熱反応があることは前節で触れた。世の中で起きている化学反応は必ずしも発熱反応だけではなく、吸熱反応も起きている。例えば塩が水に溶ける時の溶解のエンタルピー変化は […]
投稿者: NOMOTO Tomonori
5.6 断熱変化
ここまでは定積条件、定圧条件について話を進めてきたが、この先の話を進める上で、断熱変化についても述べる必要がある。 断熱変化は、外界と熱のやりとりがない条件で起きる変化である。熱のやりとりがないので、熱力学第一法則 ∆U […]
5.5 反応のエンタルピー
化学反応や状態変化でおきる発熱や吸熱もエンタルピー変化∆Hとして扱われる(定容条件ならさらに∆H=∆U) 相変化とエンタルピー 一定圧力での物質の相変化に伴うエンタルピー変化は融解エンタルピー、蒸発エンタルピーと呼ばれ、 […]
5.4 熱容量
次に、系に加える熱と温度の関係を見ていくことにする。 系の温度を上げるために必要な熱量を教えてくれる物理量が熱容量である。 熱が q だけ入ることで ΔT だけ系の温度を上がる場合、系の温度を単位温度(1度)上げるのに必 […]
5.3 エンタルピー
定積(定容)条件での熱の出入り 系が熱や仕事のやりとりをする場合というのは、温度が一定の場合だけではない。 体積が一定の場合を考えてみると、系は仕事をされない。そのかわり、外部から熱が加えられると内部エネルギーが大きくな […]
5.2 熱力学第一法則
熱力学第一法則 熱力学の第一法則はエネルギー保存則で、式としては系の内部エネルギーの変化を ΔU 、外部から系に加えられた熱をq、外部から系にされた仕事をwとして、 $$\Delta U=q+w \tag{5.2.1}$ […]
5.1 熱力学の系とエネルギー
ここからは熱力学の話に入る。熱力学は、平衡状態の系の間でやり取りされる熱や仕事、エネルギーといったマクロな物理量について説明するための枠組みである。熱についての観察をもとに、起きている自然現象を矛盾なく普遍的に説明できる […]
4.2 実在気体の状態方程式
圧縮因子とビリアル状態方程式 実在気体では凝縮が起きる以外にも、気体の状態方程式の形も理想気体の PV=nRT の形から変わってくる。そこで、圧縮因子として $$Z=\frac{PV}{nRT} \tag{4.2.1}$ […]
4.1 実在気体と凝縮の影響
ここまでは理想気体について、その振る舞いを色々な側面から確認してきた。しかし実際の気体、実在気体は理想気体と同じように振る舞うわけではない。実在の気体でも、広い空間に少ない分子が存在する場合には概ね理想気体と同様の振る舞 […]
3.5 気体分子の速度分布
根平均二乗速度 前節の分子あたりのエネルギーの式(3.4.8)から分子の平均速度を出すことができる。Etrans は分子の運動エネルギーだったので、$$E_{trans}=\frac12 m\overline{v^2}= […]